理事長挨拶
日本初等理科教育研究会理事長の鷲見辰美です。
日本初等理科教育研究会は、昭和 36 年に発足し、問題解決を柱に研究を続けています。成果としては、獣医師会のみなさんに協力をいただきながら、学校における動物飼育のあり方(文部科学省委託研究)をまとめたり、全国の教員のみなさんと力を合わせて、理科授業の方向性を示す書籍、会報を発行してきたりしました。
最新の書籍としては、2023年に「理科でつくるウェルビーイング-幸福で充実した人生を送るための学び-(東洋館出版社)を発行しました。隔月で発刊される会報、筑波大学附属小学校やオンラインで行われる研究会の成果を集約した書籍です。ウェルビーイングとは、経済協力開発機構(OECD)が、2015年に実施したPISA調査において、「生徒が幸福で充実した人生を送るために必要な、心理的、認知的、社会的、身体的な働きと潜在能力である」と定義されています。このウェルビーイングの視点を取り入れることで理科授業はどのように充実するか、理科授業を長く研究してきた全国の先生方と議論しあい、授業を行った成果を集約しています。
また、今年度3月には、日本初等理科教育研究会プレ全国大会滋賀大会を開催します。来年度が本大会です。全国にある支部の中で、滋賀支部のみなさんが中心となり、研究を進めています。全国大会の開催を楽しみにしていただければと思います。
本年度は、これまでの成果を踏まえ、「新たな価値を創造する理科学習」を研究主題にして、研究、会報の発刊を行っていきます。全国小学校理科研究協議会、ソニー科学教育研究会と本研究会の三団体の連携協力体制を継続しながら、理科教育研究を盛り上げていきたいと思います。全国各支部長様、事務局長様、そして全国の会員の皆様の御理解御協力を本年度もよろしくお願いいたします。
引き続き子供たちの笑顔のために共に研究、授業を楽しみましょう。
日本初等理科教育研究会理事長
筑波大学附属小学校
鷲見 辰美(すみ たつみ)