理事長挨拶

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日本初等理科教育研究会理事長の塚田昭一です。

日本初等理科教育研究会は、昭和 36 年に発足し、昨年度 60 周年を迎えました。昨年度1 年間の研究を振り返ると、以下の3つの事が成果として挙げられます。

1つめは、全国小学校理科研究協議会、ソニー科学教育研究会と本研究会の三団体の連携協力体制が具現化され、新たな共有HPを立ち上げるとともに、三団体の実践が WEB上で公開されるようになりました。日本の理科教育を牽引する三団体が連携協働することで、研究交流の機会が増えました。

2つめは、日本初等理科教育研究会全国大会新潟大会が新潟市立上所小学校で、初めてオンラインにて開催されました。上所小では、子供たちの学びを学際的なものとして捉え、他教科との連携や、考えるための技法を駆使した新たな問題解決の在り方が提案されました。今後の初等理科全国大会の在り方について、開催方法のみならず、カリキュラム・マネジメントの視点から示唆に富む研究発表会となりました。

3つめは、新規事業として立ち上げた日本初等理科教育研究会 CST(コアサイエンステ ィーチャー)を核とした研究制度が実現し、本研究会の指導的な役割を発揮する人材育成の基盤整備が整いました。

これら 3 点は 60 周年の節目に歴史を刻んだことといえるでしょう。これもひとえに、全国各支部長様、事務局長様の御理解御協力の賜物と、心より御礼申し上げます。

さて、上記の成果を踏まえ令和4年度の研究では、「新たな時代における理科授業の在り方」の研究主題を継承し、「ウェルビーイングの視点から見た理科授業」について、初等理科教育の在り方を追究してまいります。

子どもたちが今後直面する様々な社会構造の急速な変化の中で、「学び」がどうあるべきか、私たち教師はまさに時代の潮流を見据え、その学びの在り方を「創造」していかなければなりません。

全国の会員の皆様と研究交流を図りながら、初等理科教育の理論と実践についての研究を深め、我が国の理科教育の発展に努めていく所存です。

引き続き子供たちの笑顔のために共に研究、授業を楽しみましょう。

日本初等理科教育研究会理事長
十文字学園女子大学 教授
塚田昭一